PwC Japan×SMBCグループ共催「ソーシャルな交流が広がる1Dayプロボノワークショップ」のご紹介 

今回のJANPIAスナップでは、PwC Japan×SMBCグループ共催、JANPIA・ETIC.協力で行われた第二回「ソーシャルな交流が広がる 1Dayプロボノワークショップ」』の様子をお届けします。 

イベント概要

2025年2月22日(土)、PwC Japanグループ(以下、PwC Japan)と株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)は、企業の垣根を越えたコレクティブインパクトの創出を目指し、第二回「ソーシャルな交流が広がる1Dayプロボノワークショップ」を共同で開催。今年度からJANPIAと資金分配団体でもあるETIC.が協力団体として参加しました。 

本イベントは、2023年10月6日(金)にJANPIA主催で実施した 「ボランティア・プロボノマッチング会 第2回成果報告会」でご登壇いただいたPwCあらた有限責任監査法人、SMBC日興証券株式会社の方々が、その場で連携に向けた対話をされたことがきっかけで実施に繋がったものとなります。 

【関連記事】「ボランティア・プロボノマッチング会 第2回成果報告会」を開催!

活動スナップ

△SMBCグループ公式サイトより転載

当日は、「異なる組織による共創によって社会の持続的な変革の体現を目指す」という趣旨に賛同した企業43社から約130名が参加し、20の NPO等の団体が抱えるさまざまな課題に対する解決策の提案が行われました。 
 
参加団体20団体のうち、休眠預金活用事業の採択団体からは、以下の13団体が参加しました。 
 
・認定特定非営利活動法人 キャリアデザイン研究所 
・特定非営利活動法人 ウイズアイ 
・特定非営利活動法人 シングルマザーズシスターフッド 
・特定非営利活動法人 ワーカーズコレクティブういず 
・認定特定非営利活動法人 カタリバ 
・特定非営利活動法人 みんなのコード 
・認定特定非営利活動法人 3keys 
・特定非営利活動法人 WHITE CANVAS 
・一般社団法人 あわらテクノロジー協議会 
・一般社団法人 ころん 
・一般社団法人 merry attic 
・一般社団法人 チョイふる 
・一般社団法人 かけはし 
 
当日の様子は、PwC Japan及びSMBCグループの公式サイトよりご覧いただけます。 

JANPIAは2024年11月14日、休眠預金を活用して社会課題の解決を目指す団体と企業との連携の実現を目指す「SDGsへの貢献につなげる 関西マッチング会」を大阪市のグランフロント大阪で開催しました。JANPIAとしては4回目のマッチング会で、昨年度の福岡での開催に続くものとなります。関西を中心とする企業31社、大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀で休眠預金活用事業を進めている20の実行団体、そのパートナーである15の資金分配団体に加え、行政機関などから多くの方々が参加して、大変熱気あふれる場となりました。

関西マッチング会はJANPIA主催・公益社団法人 関西経済連合会共催で、グランフロント大阪北館タワーC 8階ナレッジキャピタルカンファレンスルームタワーC RoomC 03+04にて14:00~17:00に開催しました。
関西マッチング会はJANPIA主催・公益社団法人 関西経済連合会共催で、グランフロント大阪北館タワーC 8階ナレッジキャピタルカンファレンスルームタワーC RoomC 03+04にて14:00~17:00に開催しました。

<プログラム>

14:00~
JANPIA・関経連 開会の挨拶
14:10~
休眠預金活用事業の概要の紹介
14:30~
休眠預金活用団体のショートプレゼンテーション
15:30~
企業と休眠預金活用団体との対話会
16:50~
閉会


開会の挨拶と事業概要の紹介からスタート

まずは、JANPIA理事長の二宮雅也が挨拶をしました。JANPIAが2019年政府から指定活用団体に選定されて以来、1300もの助成事業が全国で展開されていること。また、2023年6月には5年後の見直しによる法改正で、出資事業やソーシャルセクターの担い手の育成を一層図る新しいスキーム(活動支援団体)が始まったことで、JANPIAが第2ステージに入ったことを紹介。
さらに、休眠預金等活用制度ではこれまで多様なステークホルダーとの連携、協働を重視してきた中で、現場の団体から期待が大きいのが企業との連携であるとお話しました。特に社会の構造を変革するようなイノベーティブな取り組みには、企業の積極的な参画や連携が不可欠と期待を寄せました。

次に、関西経済連合会 常務理事 阿部孝次氏が挨拶をしました。関経連では長期ビジョン(関西ビジョン2030)を策定し、SDGsが目指す持続可能な社会を維持するを掲げて活動していること。また、来年4月13日から開催される関西万博でもSDGs達成への貢献が目指されていることを紹介。今回のマッチング会では、関西ならではの支援モデルが生まれることを期待したいと締めくくりました。

JANPIA理事長 二宮雅也(左)、関西経済連合会 常務理事 阿部孝次氏(右)
JANPIA理事長 二宮雅也(左)、関西経済連合会 常務理事 阿部孝次氏(右)

続いて、JANPIAシニア・プロジェクト・コーディネーターの鈴木均が「休眠預金活用事業の概要」と「企業との連携強化」について説明しました。

JANPIA シニア・プロジェクト・コーディネーター 鈴木均が登壇
JANPIA シニア・プロジェクト・コーディネーター 鈴木均が登壇

休眠預金活用団体によるショートプレゼンテーション

挨拶と事業概要紹介の後は、20の実行団体が次々に登壇し、活動内容や支援ニーズなどについて1団体3分程度でプレゼンテーションを行いました。登壇した団体は、次の通りです。


<大阪府>
NPO法人IKUNO・多文化ふらっと
NPO法人志塾フリースクールラシーナ
NPO法人福祉ワーカーズほーぷ
NPO法人団地ライフラボat茶山台
NPO法人SEIN
一般財団法人 大阪男女いきいき財団
一般社団法人富田林市人権協議会
<大阪府、兵庫県、京都府など>
株式会社キズキ
<兵庫県>
NPO法人こどもサポートステーション・たねとしずく
NPO法人宝塚NPOセンター
NPO法人 a little
NPO法人Oneself
認定NPO法人まなびと
<兵庫県・鳥取県・島根県>
労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団
<京都府>
認定NPO法人セカンドハーベスト京都
<奈良県>
あたつく福祉型事業協同組合
一般社団法人SPSラボ若年認知症サポートセンターきずなや
<滋賀県>
NPO法人まちづくりネット東近江
一般社団法人異才ネットワーク
<全国>
NPO法人キャリアbase


団体のプレゼンテーションの様子
団体のプレゼンテーションの様子

それぞれの団体が、活動のきっかけや活動内容、強み、課題、企業との連携の可能性について熱意と共にプレゼンしました。それを受けて会場の参加者は、熱心に聞きながらメモを取る様子が見られました。地元の企業の方からは「様々な社会課題にそれぞれの団体の現場の方が、真摯に向き合って解決に向けてご努力されている様子を聞き、いろいろ気づきがありました」、という声や金融機関の方からは「休眠預金が団体の活動により困っている人たちの助けになっていることが知れて良かったです」、という感想が聞かれました。

企業と休眠預金活用団体との対話会

休憩後は、企業と休眠預金活用団体との対話会を行いました。会場後方には実行団体の紹介パネルが設置されており、企業の方々は興味のある団体のところへ行き、名刺交換をして、じっくり話を聞いていました。中には企業の担当者の列ができるほどパネルでのお話が盛り上がったり、その場で具体的な支援が決まったりするなど、会場は終始熱気に包まれていました。

ポスターセッションの様子
ポスターセッションの様子

資金分配団体の担当者は、「NPOと企業の協働への入口となる大変貴重な出会いの機会になりました」、「今日参加している担当の実行団体が企業さんとマッチングしていたので大変安心しました」といった手応えを感じていました。

実行団体の担当者は「自団体の活動を紹介する時に、どういうところをポイントにしたらより伝わりやすくなるか学ぶことができました。地域の課題をより多くの人達に知っていただけてよかったと思いました」、「民間企業のみなさまの目的意識やニーズが少し垣間見ることができたので良かった」といった感想を共有くださいました。また、事後アンケートには改めて対話したい企業名と具体的な連携の可能性が記載されており、今後のマッチングに期待が膨らみます。

企業の皆様からは「具体的な連携アイデアを出せなかったため、団体さんに話しかけるのに気後れしていましたが、実際にお話してみるとお力になれそうなことがあり気づきをいただきました」、「支援先を増やすために参加しました。特に東近江市の団体とはまだつながりがないので、お話できてよかったです」など、前向きなコメントが多く聞かれました。

当日登壇された団体の皆さん、関経連・JANPIAでの集合写真
当日登壇された団体の皆さん、関経連・JANPIAでの集合写真

2024年7月17日、JANPIA主催・九州経済団体連合会共催の休眠預金活用団体×企業「SDGsへの貢献につなげる九州マッチング会成果報告会」を福岡市の電気ビル共創館にて開催しました。会場とオンラインのハイブリット開催で、参加者は150名を超え、関心の高さがうかがえました。

2024年7月17日、休眠預金活用団体(NPO等)×企業「SDGsへの貢献につなげる九州マッチング会成果報告会」が開催されました。先立って2023年11月に同会場で実施したマッチング会には、21の実行団体と企業30社が参加。本会では、そこから生まれた30連携(協議中案件含む)の中から5事例についてご紹介しました。

<プログラム>

14:00~JANPIA・九経連 開会の挨拶
14:10~休眠預金活用事業の概要の紹介
14:30~事例紹介(5つの事例)
15:50~パネルディスカッション(5事例の登壇企業)
17:00クロージング

開会の挨拶・休眠預金活用事業の概要の紹介

まずはJANPIAシニア・プロジェクト・コーディネーターの鈴木均、続いて九州経済連合会の堀江広重専務理事が開催の挨拶を行いました。次に、鈴木が休眠預金活用事業の概要を紹介しました。

JANPIAからの挨拶 JANPIA シニア・プロジェクト・コーディネーター 鈴木 均

 動画〈YouTube〉|JANPIAからの挨拶[外部リンク]

九州経済連合会からの挨拶 九州経済連合会 専務理事 堀江広重氏

 動画〈YouTube〉|九州経済連合会からの挨拶[外部リンク]

休眠預金活用事業の概要の紹介 JANPIA シニア・プロジェクト・コーディネーター 鈴木 均

動画〈YouTube〉|休眠預金活用事業の概要の紹介[外部リンク]

資料〈PDF〉|休眠預金活用事業の概要の紹介 [外部リンク]

連携が実現した5つの事例をご紹介

5つの事例紹介では、それぞれ連携企業と実行団体、及びコーディネーター(資金分配団体)が順に登壇して、今回の取り組みや成果、思いなどについて話をしました。福岡出身で京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)の井上良子氏がコーディネーターを務めました。

ファシリテーター紹介 京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK) 井上 良子氏

 動画〈YouTube〉|ファシリテーター紹介[外部リンク]

事例紹介1|耕作放棄地の活用による事業連携

連携団体の株式会社フリップザミントは、耕作放棄地でハーブを栽培し、フレグランスやお茶などを作る事業を行っています。連携企業の株式会社サワライズは、マッチング会で同社のプレゼンを聞いて、耕作放棄地や廃棄されるものを活用する意義を認識。お互いの課題解決と強みに注目して、幅広い自社の事業と連携する可能性を検討しました。その結果、敷地内でバジルの栽培、ヘアサロン事業で香りの活用、地域イベントでワークショップの企画を行いました。コーディネーターの一般社団法人SINKaは、フリップザミントはマッチング会で4社と縁があり、そのうちサワライズと連携を進めていて、今後一緒に社会インパクトを重視するビジネスを作ることを期待していると語りました。

事例紹介1|耕作放棄地の活用による事業連携
【連携企業】株式会社サワライズ
【連携団体】株式会社フリップザミント
【コーディネーター】一般社団法人SINKa

事例紹介2|職業体験会から始まる就労支援

連携団体のNPO法人未来学舎は、不登校の子どもや社会とつながれない若者を対象に、スクール事業やカフェの運営を行っています。連携企業の株式会社にしけいは、空港の手荷物検査業務などを行う警備会社で、人手不足や企業認知度の向上、SDGsへのさらなる活動に課題を感じていました。そこで、未来学舎の子どもたちに、にしけいが手荷物検査の職業体験会を実施。和気あいあいとした雰囲気で、参加した子どもから「素敵な仕事だなと思いました」「危険なものを1ミリも見逃さない意識で仕事に従事されているところがかっこいい」などの感想が聞かれて、双方が手応えを感じていました。長い目で就労につながっていければとの思いで連携を進めていきます。コーディネーターの一般財団法人ちくご川コミュニティ財団は、マッチング前に就労というニーズを把握し、資金分配団体も含めた関係構築が重要だったと話しました。

事例紹介2|職業体験会から始まる就労支援

【連携企業】株式会社にしけい
【連携団体】NPO法人未来学舎
【コーディネーター】一般財団法人ちくご川コミュニティ財団

動画〈YouTube〉|事例紹介2[外部リンク]

資料〈PDF〉|【連携企業】株式会社にしけい [外部リンク]

資料〈PDF〉|【連携団体】NPO法人未来学舎 [外部リンク]

資料〈PDF〉|【コーディネーター】一般財団法人ちくご川コミュニティ財団 [外部リンク]

事例紹介3|プロボノによる経理業務支援

連携団体の一般社団法人熊本県こども食堂ネットワークは、子ども食堂を運営する有志らが設立した団体です。11月のプレゼンで5つの課題を発表し、その中の1つは会計ソフトを導入したものの活用できていないという内容でした。そこで、会計監査のプロであるPwC JAPAN有限責任監査法人福岡事務所が連携企業として手を挙げました。PwCでは、担当者が会計やシステムに強みのある5人のチームを編成。団体が自走できることを目指して、シンプルなマニュアルを提供するとともに、団体の事務所を訪れて現場支援にあたりました。コーディネーターの認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえは、情報を開示し切ってプロの力をお借りできて、経営の透明性という大事なところをサポートしていただいたと振り返りました。

事例紹介3|プロボノによる経理業務支援

【連携企業】PwC Japan 有限責任監査法人 福岡事務所
【連携団体】一般社団法人熊本県こども食堂ネットワーク
【コーディネーター】認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ

動画〈YouTube〉|事例紹介3[外部リンク]

資料〈PDF〉|【連携企業】PwC Japan 有限責任監査法人 福岡事務所 [外部リンク]

資料〈PDF〉|【連携団体】一般社団法人熊本県こども食堂ネットワーク [外部リンク]

資料〈PDF〉|【コーディネーター】認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ [外部リンク]

事例紹介4|フードドライブから始める街づくり

連携団体の認定NPO法人フードバンク北九州ライフアゲインは、子どもの負の連鎖を断ち切るための手段として、フードバンク事業を展開しています。連携企業の株式会社西鉄ストアは、フードバンクに興味があったものの今まで実現する機会がなく、今回のマッチングをきっかけに北九州の2店舗で初めて実施しました。お客様や従業員から寄付が集まり、企業の価値向上や従業員の教育、自治体との関係性にもプラスの影響があったとのこと。今後も街の課題を解決するスーパーを目指して活動していきたいと思いを語りました。コーディネーターの一般社団法人全国フードバンク推進協議会は、間接的に実行団体の事業成果を高めることで最終受益者に支援を届けられて、企業のSDGsの受け皿にもなったと話しました。

事例紹介4|フードドライブから始める街づくり

【連携企業】株式会社西鉄ストア
【連携団体】認定NPO法人フードバンク北九州ライフアゲイン
【コーディネーター】一般社団法人全国フードバンク推進協議会

動画〈YouTube〉|事例紹介4[外部リンク]

 資料〈PDF〉|【連携企業】株式会社西鉄ストア [外部リンク]

 資料〈PDF〉|【連携団体】認定NPO法人フードバンク北九州ライフアゲイン [外部リンク]

 資料〈PDF〉|【コーディネーター】一般社団法人全国フードバンク推進協議会 [外部リンク]

事例紹介5|団体の講師派遣による防災セミナー

連携企業の城山観光株式会社は、鹿児島で「城山ホテル鹿児島」を運営しています。11月のマッチング会で連携団体であるNPO法人YNFから被災者支援活動について話を聞き、災害支援のあり方や大規模災害への備えについて考えたいとアプローチしました。YNFが城山ホテル鹿児島を訪れ、従業員向けのセミナーを開催。ホテル周辺を視察して災害リスクの調査や備蓄倉庫のチェックも行いました。城山ホテル鹿児島にとって、大規模災害を自分事として捉え、ホテルが地域の二次避難所としても機能できると気づくきっかけになったと話しました。今後中長期的な連携関係に進めていく予定とのこと。YNFは顔の見える関係を作っておかないと、災害が起きてから協力を呼び掛けてもうまく進まないことがあると話しました。コーディネーターの認定NPO法人ジャパン・プラットフォームは、両者ができることと求めることを明確にし、すり合わせを行ったと説明しました。

事例紹介5|団体の講師派遣による防災セミナー

【連携企業】城山観光株式会社
【連携団体】NPO法人YNF
【コーディネーター】認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム

動画〈YouTube〉|事例紹介5[外部リンク]

資料〈PDF〉|【連携企業】城山観光株式会社 [外部リンク]

資料〈PDF〉|【連携団体】NPO法人YNF [外部リンク]

資料〈PDF〉|【コーディネーター】認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム [外部リンク]

パネルディスカッション

次に、連携企業の5人が登壇し、パネルディスカッションが行われました。まずはファシリテーターの井上氏が全員に対して「休眠預金活用事業だからこそ生まれた学びや価値はどんなところだったか」と質問を投げかけました。サワライズの猿渡氏は「休眠預金活用制度やソーシャルビジネスに触れたことがなく、アプローチ法が全く分からなかったが、マッチング会で糸口が見えてフォローもあり、やりやすくて助かった」、にしけいの勝野氏は「休眠預金活用のことを知らなかった。参加して3団体とマッチングできた。日頃のビジネス上のお付き合いとは違い、団体とのつながりから地域貢献や弊社のプラスになる事業が生まれてくるのではないかと期待している」、PwCの實政氏は「11月のマッチング会のピッチでは、連携団体が自分たちの課題と支援ニーズを簡潔に話されたので、自分たちがどの団体に何を提供できるか分かりやすかった」、西鉄ストアの渡邉氏は「皆さんと打ち合わせをする中で、それぞれの立場からアドバイスやサポートいただき、流れとして素晴らしいと思った」、城山観光の安川氏は「マッチング会当日はYNFさんと挨拶できずに帰ったが、JANPIAの方から何度もフォローいただいたので今回の企画を実現できた。マッチング会では九州全域でいろいろな団体が活動していると知り、さまざまな気づきがあった」と話しました。話を受けて、井上氏は「マッチング会の前後にもフォローや仕組みができていたからこそ、これだけのマッチングが成立したと改めて浮き彫りになった」とコメントしました。

次に、井上氏から各社に個別の質問をして、話を掘り下げていきました。もともと事業連携の機会が多かったのかと問われたサワライズの猿渡氏は「いろいろやってきたが、ソーシャル分野は糸口がなかった。今回の出会いによって種から芽が出てきたので、収穫までいけたらと思う」と答えました。就労支援を意識して、どんなことをしていきたいかと聞かれたにしけいの勝野氏は「弊社では子ども防犯教室などをやっていて、社会貢献としても仕事体験や経験の場を提供していきたい。最終的ににしけいに就職する人が出てくればいいかなと思っている」と話しました。支援チームの5人について問われたPwCの實政氏は「大阪と東京、福岡のメンバーで、会計に強い人やシステムに強い人などを集めて組成したことで、うまくいった。メンバーから自分たちにも多くの気づきがあるなどポジティブなフィードバックをもらった」と言いました。フードドライブをきっかけに街づくりにも発展させていきたいという意向を井上氏に確認された西鉄ストアの渡邉氏は「企業は利益を追い求めるので、その視点からNPO等との連携メリットなどについて社内でいろいろ説明して協力してもらい、ようやく1歩を踏み出せた。いろんな地域で広がっていけばと思う」と話しました。マッチング会に参加する前にどんな課題感があったのかと問われた城山観光の安川氏は「災害がいつ起こってもおかしくないという危機感を持って取り組んでいたかというと、そうではなかった。会社として災害分野で寄付をしてきたが、YNFの江崎さんの話を聞いて、必要なものを必要なときに必要な人に届けられていたかなと考えた。江崎さんの話を多くの人に聞いてほしい」と話しました。

続いて、井上氏から全員に「今回の経験を通常業務にどのように活かすか」と問いかけました。サワライズの猿渡氏は「今回つながってみて、意外と簡単にできると分かった。地域ごとに定期的に交流を続けていくことがいいのかなと思う」、にしけいの勝野氏は「公立の学校には常設されているAEDが、フリースクールには設置されていない。地域の防災や安心安全につながっていくように、行政の力を借りるなどして、配置できるように考えていかなければと思った」、PwCの實政氏は「取り組みとして点と点が結びつくだけでなく、こういう機会のように面と面が向き合って対話することが大事だと気づいた。」、西鉄ストアの渡邉氏は「従業員が働く意義を感じてモチべーションアップにつながると思う。また、スーパーは地域のプラットフォームで公民館的な存在として、いろんな人とつながって活動が発展する中心になれればと望んでいる」、城山観光の安川氏は「ホテルに泊まっている間に幸せであるのはもちろん、ホテルに関わったステークホルダーと一緒にウェルビーイングを目指していきたい。こういう場で得たつながりをどう継続していくかを考えながら、お互いに無理しない形で関係を作っていくことが大切だと思う」と話しました。

会場の参加者から全員に「今後も継続して支援していくつもりか」と質問が出ました。サワライズの猿渡氏は「支援というよりビジネスパートナーで、一緒に利益を生み出して社会に還元する発想でやっている。弊社にはいろいろなアセットやナレッジがあり、お互いに活かせば社会にいいものを残せる、お互いに良くなればいいなと思う」、にしけいの勝野氏は「3者と連携していて、継続して取り組んでいきたい。社会貢献的な活動がいずれ自社の採用に返ってくればいいと思っている」、PwCの實政氏は「こういう機会をたくさん作っていきたい。オフィシャルには期限を決める必要があるが、関係を続けていきたい」、西鉄ストアの渡邉氏は「事業を継続し拡大していきたい。デジタルを活用したマッチングもできるといいなと思う」、城山観光の安川氏は「ホテルとしてはコロナ禍に危機に直面し、地域の持続可能性と企業の持続可能性は相関関係があると痛感した。いらっしゃるお客様が幸せであればいいだけでなく、地域全体がどう幸せで持続可能であるかを追求して、活動を継続していきたい」と答えました。

最後に井上氏は「今後やっていきたいことをアピールしてください」と伝えました。サワライズの猿渡氏は「事業をやって、しっかりマネタイズして続けていくことが重要だと思っている。弊社にはいろいろな事業があるので、興味を持っていただけたらお声がけください」、にしけいの勝野氏は「留学生の就労支援として外国人雇用を本格的にスタートするので、アドバイスをいただければうれしい。また、幼稚園や学校でやっている防犯教室を、学校に行けない子どもが通うところでも実施していきたい」、PwCの實政氏は「社会課題に興味を持つ人が入社することも増えている。今、九州・山口で6つの休眠預金を活用する団体を支援していて、横につなげられるといいなと思っている」、西鉄ストアの渡邉氏は「九州の人がさらに地域を好きになれる街づくりを行っていきたい。全てのステークホルダーとつながって、ビジネスの循環もサステナビリティも両立させる街を目指したい」、城山観光の安川氏は「何ができるか日々考えながら取り組みを進めているが、ホテルで働いているだけでは気づけないことがある。団体さんからもお声がけいただきたい」と呼びかけました。
 井上氏は「連携で大事なことは、自分たちでは見えていない可能性を一緒に探せることだと感じた。また、九州だからこその可能性があって、地域に根差す企業の皆様だからこそパートナーになりやすい。地域発のモデルケースを皆様と一緒に生み出して、ひいては日本全体が元気になればすごく楽しみだと思った」と総括しました。

パネルディスカッション

 動画〈YouTube〉|パネルディスカッション[外部リンク]

2024年7月17日に開催しました「休眠預金活用団体(NPO 等)×企業『SDGsへの貢献につなげる九州マッチング会 成果報告会』」の動画をご紹介します。

2023年11月に実施したマッチング会には休眠預金活用21実行団体と企業30社が参加。そこから生まれた30連携(協議中案件含む)の中から5事例をご紹介します。

 

<プログラム></

■開会の挨拶
動画▶ https://youtu.be/f7GXdjTRnV8

 

■九経連の挨拶
動画▶ https://youtu.be/H_8jtGmqRwo

 

■休眠預金活用事業の紹介
動画▶ https://youtu.be/XkhGd-MsrG0

 

■ファシリテーター紹介
動画▶ https://youtu.be/Og3q1HawjbQ

 

■事例紹介1:耕作放棄地の活用による事業連携
動画▶ https://youtu.be/1VRWp9P5fXU

  • 【連携企業】株式会社サワライズ
  • 【連携団体】株式会社フリップザミント
  • 【コーディネーター】一般社団法人SINKa
  •  

■事例紹介2:職業体験会から始まる就労支援
動画▶ https://youtu.be/4p8kmP31t0U

  • 【連携企業】株式会社にしけい
  • 【連携団体】NPO法人未来学舎
  • 【コーディネーター】一般財団法人ちくご川コミュニティ財団
  •  

■事例紹介3:プロボノによる経理業務支援
動画▶ https://youtu.be/RtkbsfhPzzA

  • 【連携企業】PwC Japan 有限責任監査法人 福岡事務所
  • 【連携団体】一般社団法人熊本県こども食堂ネットワーク
  • 【コーディネーター】認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
  •  

■事例紹介4:フードドライブから始める街づくり
動画▶ https://youtu.be/zYjuYP77YPg

  • 【連携企業】株式会社西鉄ストア
  • 【連携団体】認定NPO法人フードバンク北九州ライフアゲイン
  • 【コーディネーター】一般社団法人全国フードバンク推進協議会
  •  

■事例紹介5:団体の講師派遣による防災セミナー
動画▶ https://youtu.be/YVrg4UHDLWE

  • 【連携企業】城山観光株式会社
  • 【連携団体】NPO法人YNF
  • 【コーディネーター】認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム
  •  

■パネルディスカッション
動画▶ https://youtu.be/xmSSFeMiJJQ

今回の活動スナップは、全日本空輸株式会社(ANA)と株式会社ワンスペース(22年度緊急支援枠/資金分配団体:公益財団法人みらいファンド沖縄)が行ったオンラインジョブツアーの様子をお伝えします。

活動概要

公益財団法人みらいファンド沖縄(以下、みらいファンド沖縄)は、コロナ禍で子どもたちの体験や交流が失われたという課題解決に向け、人との直接的な接触を避けながらできる「配信技術を活用したコンテンツ」に着目し、「みんなの配信と交流プラットフォーム〜コロナ禍で失った体験や発信、交流を再構築〜」として休眠預金活用事業に取り組んでいます。

その実行団体として株式会社ワンスペース(以下、ワンスペース)は「オンラインジョブツアー」を軸としたプログラムを実施し、沖縄の子どもたちに働くことや仕事について身近に考える機会を提供してきました。 今回、JANPIA企業連携チームの仲介により、ワンスペースの考えや思いに賛同いただいた全日本空輸株式会社(ANA)とのオンラインジョブツアーが2024年2月に実現しました。

その実行団体として株式会社ワンスペース(以下、ワンスペース)は「オンラインジョブツアー」を軸としたプログラムを実施し、沖縄の子どもたちに働くことや仕事について身近に考える機会を提供してきました。 今回、JANPIA企業連携チームの仲介により、ワンスペースの考えや思いに賛同いただいた全日本空輸株式会社(ANA)とのオンラインジョブツアーが2024年2月に実現しました。

活動スナップ

ANAグループ総合トレーニングセンター「ANA Blue Base」の空港を模した施設と沖縄県の2つの小学校を繋ぎ、ANAグループには様々な仕事があること、飛行機1機を安全に運航させるために多くの人が携わっていること等を、クイズやデモンストレーションを交えて紹介しました。Q&Aでは、子どもたちからの質問が止まらず、好奇心や関心の高さが画面越しに伝わってきました。

ANAグループ総合トレーニングセンター「ANA Blue Base」の空港を模した施設と沖縄県の2つの小学校を繋ぎ、ANAグループには様々な仕事があること、飛行機1機を安全に運航させるために多くの人が携わっていること等を、クイズやデモンストレーションを交えて紹介しました。Q&Aでは、子どもたちからの質問が止まらず、好奇心や関心の高さが画面越しに伝わってきました。

【事業基礎情報】

実行団体株式会社ワンスペース
事業名オンライン合同職場見学プロジェクト
~潜入!オンラインジョブツアー~
活動対象地域沖縄県全域
資金分配団体公益財団法人みらいファンド沖縄
採択助成事業

みんなの配信と交流プラットフォーム
~コロナ禍で失った体験や発信、交流を再構築~

ANA HP:https://www.ana.co.jp/ja/jp/brand/ana-future-promise/social-area/2024-04-10-01

「行政・自治体との連携をしていくための基礎講座」を資金分配団体、実行団体を対象に開催しました。当講座は、休眠預金活用事業の趣旨に賛同してくださったジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ JAPAN COMMUNITY IMPACTを通じて、有志社員によるプロボノ支援プログラムとして実施しました。

活動概要

行政・自治体との連携や協働を目指している資金分配団体、実行団体の皆さんを対象に、「基本編」と「ワーク編」を2024年2月と3月にオンライン開催しました。現職経験を活かしNPOと行政の連携をサポートされている有志社員中西哲帥さんを講師に迎え、行政機関に「伝わる」提案について学びました。

活動スナップ

「基本編」では講師の中西さんから、行政・自治体と連携するために基本となる情報、実践に繋げていくポイントをお話しいただきました。また、資金分配団体、実行団体3組からは、政策提言の実例発表として、提案に至った背景や実現した内容、障壁をどう乗り越えたか等、現場での実体験を共有いただきました。

約100名の参加者からは、「行政への伝え方やアプローチ方法について具体的に学ぶことができた」、「座学と発表事例の内容が一致していたので説得力が高まり理解度が増した」、「講義を通じて得た知識や提案方法を参考に行動したいと思う」いった声があがりました。

<発表事例>

・特定非営利活動法人スペースふう

子ども支援事業の一環として、産後ママへのお弁当宅配事業が予算化予定。行政と連携中

・公益財団法人みらいファンド沖縄、株式会社ハブクリエイト

児童の部活動派遣費補助増額を提言。来年度から補助額拡充の動き

・公益社団法人ユニバーサル志縁センター

提言内容が改正児童福祉法に一部反映。2024年度施行予定

<当日のオンライン開催の様子>
<当日のオンライン開催の様子>

また、「基本編」参加者を対象とした「ワーク編」を約1ヶ月後に開催し、政策提言に活用できる「伝わる」資料づくり、およびその伴走支援をする際の視点を学びました。講師の中西さんから、資料をブラッシュアップするための着眼点をポイント解説いただいた後、グループに分かれて実行団体の提案資料(事前課題)を資金分配団体と対話しながら磨いていきました。講座の最後にはアップデートされた資料で全体発表を行い、フィードバックを受けました。

参加者からは「基本編の内容を踏まえ、実践の場で具体的なアドバイスをいただけて大きなヒントが得られた」、「論理の飛躍の部分を改めて行く上で、言語化するためのアプローチを丁寧にサポートしていく必要があると感じた」、「自分たちよがりな提案になりがちなので、三方よしを意識して今後は作成していきたい」といった前向きな感想をいただきました。

全2回の講座を通じて、主観と客観を柔軟に使い分けつついかにして自団体の提言を伝えるかを、他者の視点も借りながら検討する時間となりました。講師を務めていただいた中西さんの論理的でありながら熱量の高いお話は、情報や知識を得るだけではなく、参加者一人ひとりに考える機会を醸成する講座でした。

今回のJANPIAスナップでは、PwC Japanグループ×SMBCグループの共催で行われた『企業の垣根を越えたコレクティブインパクトへの第一歩 「ソーシャルな視野が広がる1Dayプロボノワークショップ」』の様子をお届けします。

イベント概要

2024年2月17日(土)、PwC Japanグループ(以下、PwC Japan)と株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)は、企業の垣根を越えたコレクティブインパクトの創出を目指し、「ソーシャルな視野が広がる1Dayプロボノワークショップ」を共同で開催しました。

本イベントは、昨年10月6日(金)にJANPIA主催で実施した 「ボランティア・プロボノマッチング会 第2回成果報告会」でご登壇いただいた PwC Japan有限責任監査法人、SMBCグループの方々が、その場で連携に向けた対話をされたことがきっかけで実施に繋がったものとなります。

【関連記事】「ボランティア・プロボノマッチング会 第2回成果報告会」を開催!

活動スナップ

△SMBCグループ公式サイトより転載
△SMBCグループ公式サイトより転載

当日は、「異なる組織の共創により社会の持続的な変革の体現を目指す」という趣旨に賛同した企業12社から、約130名が参加し、7つの NPO等の団体が抱えるさまざまな課題に対する解決策の提案が行われました。

参加団体7団体のうち、休眠預金活用事業の採択団体からは、以下の4団体が参加しました。

・特定非営利法人 サンカクシャ
・公益財団法人 長野県みらい基金
・認定特定非営利法人 フードバンク信州
・認定特定非営利活動法人 Learning for All

当日の様子は、PwC Japanグループ及びSMBCグループの公式サイトよりご覧いただけます。

バランスの良い食事とあたたかい団らんは、子どもの心身の健やかな成長に欠かせません。各地の「子どもの居場所」でボランティアメンバーたちが愛情を込めて準備している食卓には、民間企業からもさまざまな支援が寄せられているのをご存知でしょうか。地域に根差した企業が地元の新鮮な食材を寄附したり、全国に展開する食品企業が出来立てのお弁当を提供したりしながら、それぞれの強みを生かして子どもたちの食事を支えているのです。資金分配団体:全国食支援活動協力会の実行団体である一般社団法人コミュニティシンクタンク北九州や社会福祉法人那覇市社会福祉協議会と連携してユニークな支援を展開する株式会社吉野家と響灘菜園株式会社の担当者に、支援に寄せる思いを聞きました。

子どもを思う地域の人々をトマトがつなぐ|響灘菜園株式会社

関門海峡の北西に広がる響灘に面した響灘菜園株式会社は、食品大手のカゴメ株式会社(カゴメ)と電力会社の電源開発株式会社(Jパワー)によって設立され、2006年からトマトの通年栽培を行っています。敷地内には、東京ドームや福岡ドームよりも広大な8.5ヘクタールにおよぶ温室があり、ハイテクな栽培技術を駆使して20万本のトマトを栽培しており、年間の収穫量は3000トンに上ります。

そんな同社は、「トマトのファンを増やしたい」が口ぐせだという猪狩英之社長の強い後押しを受け、自社のトマトを通じた社会貢献に熱心に取り組んでいます。特に、市内の子ども食堂に対する支援は積極的で、コミュニティシンクタンク北九州が事務局を務める「こども食堂ネットワーク北九州」を通じて、年間2500キロ、約2万個のトマトを無償で提供しているほか、市内の大学や企業などと連携し、トマトを使ったレトルトカレーの開発にも取り組んでいます。
同社が手塩にかけて育てたトマトによって、子どもの見守りや、魅力的なコミュニティづくりに意欲を燃やす地元の人々が有機的につながり、思いが広がっていく様子を二度にわたって取材しました。誇りを持って菜園の中で働く同社の社員たちの姿とともに、ぜひお目通しください。

コラム | 響灘菜園 | トマトカレーがつなぐ思いの循環.pdf [外部リンク]

コラム | 響灘菜園 | トマトを通じて地域に貢献.pdf [外部リンク]

使命感から生まれた新しい寄附文化で広がる笑顔|株式会社吉野家

近年、日本では、所得が全国平均の半分に満たない、貧困状態の家庭で暮らす子どもや、一人で孤独に食事することが常態化している子どもが増加し、成長への悪影響が強く懸念されています。
株式会社吉野家は、未来を担う子どもたちの状況を憂い、「食に携わる企業として貢献したい」という意識を抱いていた河村泰貴・代表取締役社長のリーダーシップの下、2020年に子ども支援事業の立ち上げについて検討を開始しました。当初は連携先の選定に苦労していましたが、社会福祉法人那覇市社会福祉協議会が運営する「こども食堂サポートセンター那覇」との出会いを機に、両者は強力なタッグを組んで支援の形やオペレーション方法を詰めていき、同年9月には那覇市内の店舗で初となる牛丼弁当の配布にこぎつけました。
同社はその後、この方法を他の都市にも横展開し、各地の社会福祉協議会と連携しながら支援を広げています。プロジェクトの進捗や子どもたちの反応については全国1100店舗のスタッフにも報告を欠かさず、社を挙げて思いを共有するよう努めているうえ、他の飲食業の経営陣にもノウハウを積極的に伝えているという同社から伝わってくる使命感と矜持、そして芽吹きつつある新しい寄付文化の機運を、ぜひご覧ください。

(いずれも吉野家提供)

コラム | 吉野家 | 一杯の牛丼に思いをのせて.pdf [外部リンク]

■ 事業基礎情報【1】

実行団体一般社団法人 コミュニティシンクタンク北九州
事業名⼦ども食堂ネットワーク北九州機能強化事業
活動対象地域福岡県北九州市
採択事業2019年度通常枠

■ 事業基礎情報【2】

実行団体社会福祉法人 那覇市社会福祉協議会
事業名こども食堂等支援事業〈2019年度通常枠〉
活動対象地域沖縄県那覇市
資金分配団体一般社団法人 全国食支援活動協力会
採択事業2019年度通常枠

学校帰りや週末に地元の子どもたちが三々五々集まり、一緒に食事をしたり、遊んだり、宿題をしたりしながら思い思いに過ごす「子どもの居場所」。地域により活動の内容はさまざまですが、子どもたちが年齢を超えて交流し、大人と触れ合い、さまざまな経験を重ねて健やかに成長してほしいという運営者たちの願いは同じです。2019年度の休眠預金を活用した「こども食堂サポート機能設置事業」(資金分配団体:一般社団法人全国食支援活動協力会)の支援を受け、一般社団法人コミュニティシンクタンク北九州と社会福祉法人那覇市社会福祉協議会が物資の供給や助成金の情報提供、ネットワーク化支援などを行っている居場所の中から9カ所を取り上げ、活動に込められた思いを取材しました。

行政とともに特色あるコミュニティづくりを通じた子どもの見守りを|一般社団法人 コミュニティシンクタンク北九州

製鉄や石炭産業の発展に伴い、戦後いち早く復興事業が進められ、官営八幡製鐵所をはじめ多くの近代化産業遺産を擁する北九州市。都心としてにぎわう小倉北区や、戦前の駐屯地が農地として払い下げられ宅地開発が進められてきた小倉南区、製鉄所の遊休地を生かした再開発が進む八幡東区など、地域によって特色のある街づくりが進められている同市ですが、その一方で、保護者の帰宅が遅い家庭が少なくありません。
そんな北九州市にある「子どもの居場所」は、市が自治会やPTA、警察、消防と連携して設置した「まちづくり協議会」の「市民センター」で活動していたり、フードバンクを行うNPOのサポートを受けながら食事支援や学習支援、生活習慣の習得支援に取り組んでいたり、女性の生理用品を配布していたりと、活動の内容も形態もさまざまです。しかし、どの居場所も、地元の子どもの見守りやコミュニティづくりに熱い思いを寄せる人たちが、「子ども食堂ネットワーク北九州」(一般社団法人コミュニティシンクタンク北九州がコーディネーターを担当)を通じて、北九州市役所や教育委員会を巻き込みながら活動を広げてきました。
2020年3月頃から始まったコロナ禍によって活動の一時中止を余儀なくされながらも、豊富な経験とネットワークを生かし、柔軟に形を変えつつ支援を続けてきた関係者たちの思いに迫りました。

絆キッチン

コラム | 子ども食堂☆きらきら清水 | ネットワークで地域をつなぐ.pdf[外部リンク]

コラム | こあらのおうち | 若園地区に広がる賛同の輪.pdf[外部リンク]

コラム | 子ども食堂「尾倉っ子ホーム」 | 食卓を囲んで愛情を伝える.pdf[外部リンク]

コラム | 絆キッチン | 支援に依存しない居場所づくりを模索.pdf[外部リンク]

世代を超えた学び合いとコミュニティの新しい見守りの形を模索|社会福祉法人 那覇市社会福祉協議会

沖縄県は、一人親世帯や貧困家庭の割合が全国平均に比べて高い状況にあります。特に、県庁所在地の那覇市は、観光関連のサービス業に従事している人が多いため、親が夜遅くまで帰宅できない家庭も少なくありません。また、核家族化や少子高齢化も急速に進んでおり、大人と交流する機会がほとんどない子どもや、生活に困窮する高齢者が増加しているほか、長期にわたって引きこもる50代前後の子どもの面倒を80代前後の親がみなければならない「8050問題」も深刻化し、社会が直面する問題は年を追うごとに複雑になっています。
こうした状況を受け、那覇市でも多くの「子どもの居場所」が立ち上げられ、ユニークな活動を展開しています。地元で長年にわたり食堂を営んできた母娘や、子育てに悩んだ自分の経験から「家庭でも学校でもない、第三の居場所」をつくることを決意した女性、豊富なネットワークと知見を有する民生委員の経験者たちなど、運営者のバックグラウンドは居場所によって異なります。しかし、どの居場所の活動からも、社会福祉法人那覇市社会福祉協議会が運営する「糸」や「こども食堂サポートセンター那覇」に絶大な信頼を寄せ、密に連絡や相談をしながら取り組んでいる様子が浮かび上がってきます。
近隣の子ども食堂や自治体とも連携し、子どもに限らず保護者や高齢者も広く支援対象に入れ、世代を超えた学び合いの場をつくり、地域を盛り上げるとともに、現代ならではの課題に応えることでコミュニティの新しい見守りの形を実践しようと挑戦を続ける居場所の運営者たちに、それぞれの思いを聞きました。

ワクワクゆんたく食堂

コラム | こばんち | 母と子の居場所をつくりたい.pdf[外部リンク]

コラム | にじの森文庫 | 「生きる力を身に付けさせたい」 .pdf[外部リンク]

コラム | ほのぼのカフェ | 子ども食堂から始まるまちづくり.pdf[外部リンク]

コラム | にぬふぁぶし | たどり着いた「食支援ではなく学習支援を」という思い.pdf[外部リンク]

コラム | ワクワクゆんたく食堂 | 団地から広がる見守りの仕組み.pdf[外部リンク]

■ 事業基礎情報【1】

実行団体一般社団法人 コミュニティシンクタンク北九州
事業名⼦ども食堂ネットワーク北九州機能強化事業
活動対象地域福岡県北九州市
採択事業2019年度通常枠

■ 事業基礎情報【2】

実行団体社会福祉法人 那覇市社会福祉協議会
事業名こども食堂等支援事業〈2019年度通常枠〉
活動対象地域沖縄県那覇市
資金分配団体一般社団法人 全国食支援活動協力会
採択事業2019年度通常枠

JANPIAは2023年11月22日、休眠預金を活用して社会課題の解決を目指す団体と企業とのマッチング会「SDGsへの貢献につなげる 九州マッチング会」を福岡市の電気ビル共創館で開催しました。JANPIAとしては3回目のマッチング会で、福岡での対面開催は初となります。地元を中心とする企業30社、九州・沖縄・山口で休眠預金活用事業を進めている21の実行団体、そのパートナーである10の資金分配団体、行政機関などから多くの方々が参加して、とても熱気あふれる場となりました。

九州マッチング会はJANPIA主催・一般社団法人九州経済連合会共催で、電気ビル共創館3階のカンファレンスAにて14:00~17:00に開催しました。

九州マッチング会はJANPIA主催・一般社団法人九州経済連合会共催で、電気ビル共創館3階のカンファレンスAにて14:00~17:00に開催しました。

<プログラム>

14:00~
JANPIA・九経連 開会の挨拶
14:10~
休眠預金活用事業の概要の紹介
14:30~
休眠預金活用団体のショートプレゼンテーション
15:30~
企業と休眠預金活用団体との対話会
16:50~
閉会


開会の挨拶と事業概要の紹介からスタート

まずは、JANPIA理事長の二宮雅也が挨拶をしました。JANPIAが2019年政府から指定活用団体に選定されて以来、170以上の助成事業が累計1000を超える実行団体で展開されており、ユニークな日本型モデルの構築が着実に進んでいると紹介。団体の皆様には企業と連携して社会課題の解決を目指したいという強い期待があり、企業も社会を構成する一員として、誰ひとり取り残すことなく未来の子どもたちにサステナブルな社会を引き継ぐために、ぜひ積極的に連携いただきたいと力を込めました。

次に、九州経済連合会専務理事の堀江広重氏が挨拶をしました。九経連では2022年9月に九州・沖縄・山口ESG投融資方針を策定して、2022年は環境省と環境投資の推進を目的としたマッチング会を行い、今年は人への投資を促進するこの会を開催している旨を話しました。

JANPIA理事長 二宮雅也(左)、九州経済連合会 専務理事 堀江広重氏(右)
JANPIA理事長 二宮雅也(左)、九州経済連合会 専務理事 堀江広重氏(右)

続いて、JANPIAシニア・プロジェクト・コーディネーターの鈴木均が「休眠預金活用事業の概要」と「企業との連携強化」について説明しました。

JANPIA シニア・プロジェクト・コーディネーター 鈴木均が登壇
JANPIA シニア・プロジェクト・コーディネーター 鈴木均が登壇

休眠預金活用団体によるショートプレゼンテーション

14:30からは、21の実行団体が次々に登壇し、活動内容や支援ニーズなどについて1団体3分程度でプレゼンテーションを行いました。登壇した団体は、次の通りです。


<福岡県>
一般社団法人家庭教育研究機構(福岡県)、NPO法人未来学舎(福岡県久留米市)、認定NPO法人箱崎自由学舎ESPERANZA(福岡県)、一般社団法人みんなの家みんか(福岡県)、有限会社トラスト/株式会社マイソル(九州)、株式会社ホンジョー(九州)、株式会社ボーダレス・ジャパン(全国)、認定NPO法人フードバンク北九州ライフアゲイン(福岡県北九州市)、一般社団法人YOU MAKE IT(福岡県福岡市)、NPO法人YNF(福岡県・佐賀県・大分県・熊本県)、NPO法人ジャパンマック福岡(福岡県福岡市)、NPO法人福岡子どもホスピスプロジェクト(九州・山口)
<佐賀県>
一般社団法人さが・こども未来応援プロジェクト実行委員会(佐賀県)
<長崎県>
一般社団法人MIT(長崎県対馬市)
<熊本県>
一般社団法人熊本県こども食堂ネットワーク(熊本県)、株式会社フリップザミント(熊本県)、一般社団法人熊本私学教育支援事業団(熊本県)、ワールドフレンズ天草(熊本県天草地域)
<鹿児島県>
NPO法人かごしまこども食堂支援センターたくして(鹿児島県)
<沖縄県>
株式会社よしもとラフ&ピース(沖縄県)
<山口県>
NPO法人山口せわやきネットワーク(山口県)


それぞれの団体が、活動のきっかけや活動内容、強み、課題、企業への連携の提案などを分かりやすく紹介しました。個性豊かで情熱的なプレゼンの数々に、参加者たちはどんどん引き込まれて、熱心に聞き入っていました。メモを取る方もいました。企業の参加者からは「休眠預金がこんなにしっかり活用されていることを知らなかったので、視野が広がりました。どのように関われるか考えてみます」、「実行団体の皆さんの熱意に驚きました。ポスターセッションで直接お話しできるのが楽しみです」という声が聞かれました。

団体のプレゼンテーションの様子
団体のプレゼンテーションの様子

企業と休眠預金活用団体との対話会

10分間の休憩を挟んで、15:40から1時間程度、企業と休眠預金活用団体との対話会を行いました。会場後方には実行団体の紹介パネルが設置されており、企業の方々は興味のある団体のところへ行き、名刺交換をして、じっくり話を聞いていました。どの団体も休憩時間から活発な交流が続き、予定の1時間を超えても対話が終わらないほど大いに盛り上がり、終始、会場は熱気に包まれていました。

ポスターセッション
ポスターセッション

資金分配団体の担当者は「企業とはなかなか接点がない中、今回は対面で活動と熱量まで伝えられるとても貴重な機会でした。企業の方々には親身になって話を聞いていただき、関心の高さがうかがえました。これを機にコミュニケーションを続けていければと思います」と感想を語りました。

実行団体の担当者は「そもそもフリースクールとは何か、子どもと社会にどんな課題があるのか、企業の方にはあまり知られていないと実感しました。私たちの活動をさらにかみ砕いて説明し、もっと広く知ってもらう必要があると改めて感じました」、「企業と連携することで支援いただくとともに、自分たちのリソースを使って企業に提供できることもたくさんあると気づき、さまざまな可能性が見えてきました」と、確かな手応えを感じていました。

企業の皆様からは「新たな価値の創造を目指す部署が社内に新設されて、自分たちができることを模索しています。今日はさまざまな分野で活動される団体とご縁ができたので、社内に持ち帰って、連携などについて具体的に検討していきたい」など、前向きなコメントが多く聞かれました。

皆様のご協力のおかげで、ここから新たな連携が次々と生まれていくことを期待できる、素晴らしいイベントとなりました。

当日登壇された団体の皆さん、九経連・JANPIAでの集合写真
当日登壇された団体の皆さん、九経連・JANPIAでの集合写真