助成事業種別の明確な基準は設けておらず、どの種別でも申請が可能です。
過去に被災した地域では、「草の根活動支援事業」として多数の事業が実施されています。2024年10月現在、「災害支援事業」においては、JANPIAが主催する災害支援関連団体間の連絡会などが実施されています。
さらに、同一助成種別であることから、休眠預金活用事業情報公開サイトでの検索が容易である点もメリットとして挙げられます。これらの利点を活かし、災害支援事業の実施を検討することは一つの有効な選択肢です。
休眠預金活用事業の「災害支援」は、柔軟に事業計画の変更の検討が出来ることが特徴の一つです。
緊急災害支援、復旧・復興期支援の事業の場合も、他の助成種別の事業計画と同様、対象エリアや対象者、活動内容と短期アウトカム設定が契約時より必須になります。発災後の事業計画等の変更は可能ですが、実際の発災状況に即した計画の変更が助成金支給の条件となります。
また、資金分配団体は契約した助成金額の範囲内であれば、実行団体の追加公募や公募期間延長、採択済みの実行団体への再分配などが可能です。
JANPIAによる通常枠資金分配団体の公募は定期実施です(年2回程度)。資金分配団体による通常枠実行団体公募は、資金分配団体の狙いによって柔軟に公募時期や回数を設定されているため、公募サイトの情報をご参照ください。
なお、2024年1月の令和6年能登半島地震に関しては、緊急的な支援ニーズに対応するため、「2023年度緊急支援枠(5次)」を実施し、当該被災地向けの資金分配団体の包括的支援プログラムを公募した実績がございます。
休眠預金活用事業の「災害支援」の特徴の一つは、フェーズによって変わるニーズに対しシームレスな対応が可能であることです。
資金分配団体は、平時を含めたすべての災害フェーズでのプロジェクトを申請できます。特定のフェーズに特化した事業も、フェーズを越えて活動する事業(平時の備えの活動から発災時の出動)も対象となります。実行団体においては、資金分配団体がプログラムで指定しているフェーズの範疇での活動が可能です。
事例は、「休眠預金の活用による災害支援事業の事例集」をご参照ください。
>JANPIAサイト|休眠預金の活用による災害支援事業の事例集
https://www.janpia.or.jp/koubo_info/subsidy/outline/download/subsidy_disaster_support_case.pdf
災害支援事業として緊急災害支援を実施する事業では、災害時予算を「災害積立金」として確保することが可能ですが、そのほかの助成事業区分において災害対応のための追加資金を助成する仕組みはありません。発災により予定した計画を実施できない場合は、当初計画の上位目標(短期アウトカム、中長期アウトカム等)から逸れない範囲で事業計画・資金計画を変更することで、災害支援活動を実施することは可能です。
資金分配団体の公募〈緊急支援枠〉は社会情勢の変化に伴い緊急に支援を要する社会課題等を対象としています。各年度の公募要領において「優先的に選定される事業」に変更が発生することはありますが、緊急支援枠の目的に適う事業であれば、災害支援に相当する事業も申請することが可能です。
なお、資金分配団体の公募〈通常枠〉の事業区分に災害支援事業があります。申請に当たっては、通常枠と緊急支援枠の違いもご確認ください。
他の助成事業区分同様、資金提供契約書、積算の手引き、精算の手引きに則った管理をしてください。防災・減災のための備えとして重機等を購入する場合、発災前は資産活用(貸出など)も合わせて検討することを推奨します。
災害支援事業において、採択された事業における緊急災害に出動するための予算はJANPIAにて「災害積立金」として預かっております。この資金は、災害が発生した際に必要な支援を行うために、事前に計画された活動に充てられます。
「災害積立金」の支給にあたっては、発生した災害に対するニーズ調査を実施後に変更した事業計画と資金計画の提出を以て支払いをします。例えば、このスキームを活用して、資金分配団体が、平時に災害の備え(防災・減災)を実施し、緊急災害時に出動できる実行団体を採択するという事業を組み立てることで、シームレスな支援を実現している事例があります。この場合は資金分配団体の事業計画及び資金計画の変更手続き及び実行団体の事業計画及び資金計画の変更手続きが終了次第、実行団体に助成金を支給することができます(この期間は概ね1か月~2か月)。ただし、発災後に実行団体を公募により採択する場合、その発災地域に根付いた民間団体の申請が期待できますが、公募計画から実行団体採択までに時間を要し、助成をうけた活動の開始までには時間がかかることをご留意ください
通常枠の災害支援枠においては緊急災害支援単体での事業実施が可能です。ただし休眠預金等活用制度はJANPIA・資金分配団体・実行団体の三層構造であり、災害の内容や地域を踏まえて実行団体公募を実施する場合には、実行団体採択までに時間を要する傾向があります。発災後の緊急支援活動を速やかに行うため、災害支援枠のスキームを活用し、「防災・減災支援」と「緊急災害支援」「復旧期支援」「復興期支援」を組み合わせる等、実行団体を含めた関係者の協働体制の構築や情報収集等を含めて計画することを推奨しております。
災害の発生は予測が難しいため、緊急支援を組み合わせた事業を実施する事業においては、出動の実現性を実行団体採択基準の一つとしていただくことを推奨します。例えば、「どのような地域の災害でもアウトリーチ可能な実行団体」、「災害が頻発する地域で平時より行政と連携して活動している団体」などが考えられます。
なお、資金分配団体においては、広域をカバーするために「コンソーシアム」にて事業を実施する事例があります。この方法は、発災後に被害の大きい県域等に資金分配団体予算を集中させるなど、発災地域のニーズに合わせた資金投入を可能にする手段の一つです。