企業を担い手に加えた4者連携災害支援シンポジウム|『企業×NPO×行政×社協の挑戦』〜ともに備え、ともに支える〜

防災・減災や災害支援に関心のある企業、NPO、行政、社会福祉協議会、地域住民の皆さまに向けた事業成果報告会です。
SPFと実行団体は、休眠預金を活用し、企業・NPO・行政・社会福祉協議会の4者が連携しながら、日頃から顔の見える関係をつくり、災害時に互いに協力して支え合える体制づくりを進めてきました。
本シンポジウムでは、実行団体による取り組みの成果や、JANPIAによる他地域の事例紹介に加え、4者それぞれの立場から語り合うクロストークを行います。
連携によって何が変わったのか、協力するうえで何が大切だったのか、どのような難しさがあったのか。現場での経験を共有しながら、事業終了後もつながりを続け、それぞれの地域で生かしていくためのヒントを一緒に考えます。

概要

休眠預金活用事業では、資金分配団体が実行団体に伴走しながら、社会課題の解決に取り組んでいます。
休眠預金を原資とする本事業においては、透明性や公正性の確保が不可欠です。
そうした信頼の基盤を支えると同時に、事業の質や成果をさらに高めていくうえで重要な役割を果たすのが、ガバナンス・コンプライアンスの整備です。

資金分配団体・RCFの事業完了時監査の事例を取材しました。

■休眠預金活用プラットフォーム・メディアチャネル
連載「ガバナンス支援の現場から」 Vol.3
―「監査」を学びに変える—一般社団法人RCFに学ぶ事業完了時監査の実践-

「もし明日、あなたの町で災害が起きたら。支援は、届くだろうか」
大災害後の生活再建を、政策・研究・現場のリアルな対話から考える出版記念イベントです。防災だけでは終わらない、「暮らしを取り戻す」ための個別最適な支援の仕組み(災害ケースマネジメント)の最新動向と未来へ迫ります。

概要

「Hahaの書」は、原発事故防災のために作りました。
本の中のエピソードは、2011年3月に起きた東京電力福島第一原発事故で被災したお母さんたちが実際に経験し語ったものです。

原発事故は、もう二度と起きてほしくないのですが、大きな地震や津波の心配が絶えない日本の国では、大震災の複合事故として必ず原発事故を想定しなければなりません。

災害が起きると、さまざまな情報が飛び交います。特に原発事故では、事前に知っているかいないかで、事故直後の対応や被ばく量に大きな差が生まれます。
「あの時、こうしていればよかった…」と後悔してほしくありません。
どう行動できるかは、備えがあるかどうかで大きく変わるのです。

災害は突然起こり、特に子どもたちは弱い立場に置かれます。
この「Hahaの書」は、防災・こころ・子ども の三つの視点から、災害にどう備え、どうこころを守っていくかを伝えています。

事故を知る世代がいなくなっても、原子力発電所は残り続け、稼働していなくてもその危険性はなくなりません。そして放射性物質は、見えない・におわない・感じない「姿が見えない危険」です。
こうした見えないものに対する感じ方は、人によって異なります。
だからこそ、福島のような後悔を繰り返さないために、
私たちが得た教訓を、未来を生きる子どもたちへバトンを繋げていく絵本です。

「Hahaの書」は、市民ができる被ばく防護の絵本です。
私たちが体験したエピソードと防災の心得、それに添った素敵な絵がついています。
この絵本を平時の時から家族みんなでみて、話し合ってほしいと思います。

 

 

 

事業概要


本事業は、昨年の豪雨災害の教訓を踏まえ、行政の避難網から漏れる最脆弱層(強度行動障害等の重度障害者・医療的ケア児者)を守るため、法人BCPを抜本的に見直し、地域医療・行政と連動する「多職種連携型の地域BCP」へと体制を再構築するものです。
【行政事業との違い】 行政の避難所は最大多数の市民の集団生活を前提としており、医療機器の電源確保や行動特性への専門的対応を要する最脆弱層の受け入れは事実上困難です。本事業はこの制度の狭間に特化し、福祉専門職が平時から備え有事に動く仕組みを構築する点で、行政施策を補完する取り組みです。
【想定されるリスクと対応】 想定リスクは①浸水等による施設機能の停止、②停電による医療機器の使用不能、③経路遮断による参集困難、④通信途絶による安否確認・指示伝達の停滞、⑤強度行動障害に特化したBCPが存在しないことによる有事の対応指針の欠如です。 これに対し、2025年開設の新拠点における強度行動障害特化型のBCPを策定し、個別避難計画と実働訓練により「ソフトの備え」を確立します。ハザードマップに基づき参集基準を明確化し、初動の役割と行動手順を策定。また、施設での長期抱え込みは必要な医療の不足を招き利用者の安全を脅かすため、専門医療機関との連携により早期の安全な段階的移行をルール化します。さらに行政や自治会との課題共有を通じ、孤立を防ぐ地域共助モデルを構築します。

事業概要


釧路地域における千島海溝沿いの巨大地震(冬の夕方発災・大津波・広域浸水・凍結・停電)という過酷なリスクに対し、民間多職種が連携して在宅要支援者の命を守る実働体制を構築する事業です。行政の災害支援は広域避難やインフラ復旧が中心であり、在宅療養者の個別避難支援は民間事業所の自助に委ねられています。当法人は釧路市から「在宅医療介護連携推進事業」を受託し、日常的に行政と協働するハブ機関です。この強固な基盤を活かし、歯科、薬局、訪問看護、リハビリ専門職協会、NPO法人等と網羅的な連携体制を形成します。釧路市の被害想定を基に、外部専門家への委託により独自開発する「課題解決ワークシート」を用いた多職種合同の実働・机上訓練を反復実施します。各法人が個別に策定したBCPを持ち寄り、厳冬期の電源や避難手段の喪失といった課題を共有。発災初動の役割分担と情報共有フローを明文化し、BCPを現場で「確実に機能する」水準へ引き上げます。同時に、日常的に連携する市の危機管理・福祉窓口と直結させ、民間の初動体制を公的仕組みの中に強固に位置づけます。事業を通じ中核人材を育成し、釧路発の実践モデルを全国へ発信します。

報告書要約


本報告書は、長野県NPOセンターが実施した「信州型被災者支援連携体制創出事業」(2023年4月〜2026年2月)の事後
評価をまとめたものであり、災害時における被災者支援の質向上と地域のレジリエンス強化を目的としている。

長野県ではこれまで地震や豪雨、噴火など多様な災害が繰り返し発生しており、特に小規模自治体が多いことから、防災
専任職員の不足や地域防災計画の適時適正な反映不足、民間支援との連携不足といった課題が顕在化している。
また、NPO等は被災地支援の経験を蓄積しているにもかかわらず、それが行政と十分に共有されず、災害のたびに同様
の課題が繰り返される構造が存在していた。

こうした背景のもと、本事業では行政・社会福祉協議会・NPO等による「三者連携」を軸とした支援体制の構築が目指され
た。
事業の中核となるのが長野県域の災害中間支援組織「長野県災害時支援ネットワーク(N-NET)」であり、これを災害中間
支援組織として機能させるための基盤整備を進めてきた。具体的には、県・県社会福祉協議会・N-NETによる会議体の整
備や事務局機能の強化、検討部会の設置などを通じて、平時からの連携体制を構築した。
また、被災者支援に関わるNPOや企業等の情報を収集・整理し、データベース化することで、地域資源の可視化と活用促
進を図った。

さらに、大規模災害に備えた実践的な取り組みとして、官民連携によるシミュレーション訓練を実施した。これは発災直後
から復旧期に至る各段階を想定し、関係者が課題と対応策を検討するものであり、市町村や関係機関の連携強化に寄与し
た。

また、被災者支援の標準的なあり方を示す「被災者支援スタンダード」や、関係主体の役割を整理した「支援連携図」に取
組み、支援の共通目標と具体的行動の明確化を目指した点も重要な成果と考えている。
人材育成の面では、市町村域を対象とした研修プログラムの開発と実施により、地域特性に応じた支援を担う人材の育
成を試行した。これにより、災害時におけるニーズ把握や関係機関との調整を担う人材基盤が形成されつつある。
また、「災害時の連携を考える長野フォーラム」やセミナーなどの開催により、多様な主体の参加とネットワーク形成を促
進し、支援の担い手の裾野拡大にも寄与したものと考えている。
加えて、岡山県や北海道など先進地域の視察を通じて、災害中間支援組織の運営やコミュニティ再生の重要性について
の知見を獲得し、それを長野県の取り組みに反映させるべく検討を続けている。さらに、隣接県との連携強化も進められ、
広域的な支援体制の構築に向けた基盤を整備しつつある。
評価においては、ネットワークの拡充という量的側面と、組織機能の強化という質的側面の両面から分析を行った。

その結果、関係団体間の意識変化や連携の深化、N-NETの中間支援組織としての役割強化といった成果を確認すること
ができた。
その一方で、ネットワークへの参加意欲は必ずしも高くなく、調査では「参加したい」と回答した団体は約1割にとどまり、今
後は参加促進のための仕組みづくりが課題として浮かび上がっている。
総じて本事業は、長野県における被災者支援の連携基盤を整備し、災害に強い地域づくりに向けた重要な一歩となったと
評価できる。

今後は、構築した体制の持続性確保や市町村レベルでの実装深化、さらには民間団体の参加拡大を図ることで、より実
効性の高い被災者支援体制へと発展させていきたいと考えている。

本事業の広報やガバナンス・コンプライアンス体制整備の実績等ついては、以下のリンクからご参照ください。

報告書要約


本事業は、令和 5 年 7 月豪雨により被災した久留米市の在宅被災者および公営住宅等への
避難者を主な対象として、個別訪問を軸とした伴走型の生活再建支援を行うとともに、土
砂災害被災地域においては地域主体の復興および防災に向けた対話の場づくりを実践した
ものである。事後評価の結果、本事業は、被災者一人ひとりの状況に即した支援を着実に
積み上げるとともに、地域および行政との関係性を再構築し、災害対応と平時の福祉・防
災を接続する実践的なモデルを構築した点において、高い成果を上げたと結論づけられる。
在宅被災者支援においては、本事業では 223 世帯の床上浸水世帯を対象として個別訪問を
実施し、そのうち 23 世帯について住まいに関する具体的な課題を把握した。被災から時間
が経過する中で、制度利用の遅れや情報不足、経済的制約などが複合的に重なり、支援に
至っていない世帯が一定数存在していたが、本事業では丁寧なアウトリーチを通じて実態
を可視化した。最終的に 43 世帯1で支援を終結させることができた。また、住まいの再建
に向けた行動が見られなかった世帯数は、当初把握した 79 世帯中 58 世帯減少しており、
個別支援が再建行動を後押しした成果が数値として確認されている。

さらに、公的支援制度だけでは解決が難しい「支援困難世帯」についても、21 世帯を特定
し、延べ 129 回に及ぶ面談を実施した。これらの世帯は、複合的な生活課題や合意形成の
困難さを抱えており、行政単独では対応が難しいケースであったが、本事業では関係機関
と連携しながら継続的な関わりを行い、課題整理や次の支援への橋渡しを行った点に大き
な意義がある。なお、公営住宅等への避難者支援においては、所在確認が可能であった 44
世帯すべてに対して支援を実施し、終の棲家に関する見通しを立てる支援を行った。住宅
再建の選択肢が多様化する中で、被災者自身が状況を整理し、今後の生活設計について主
体的に判断できるよう支援を行ったことにより、支援の長期化や停滞を防ぐ効果が確認さ
れた。

また、久留米市竹野校区三明寺地区においては、土砂災害という地域特性を踏まえ、当初
想定していた住宅再建をめぐる集団的合意形成ではなく、住民の実情に即した交流会「三
明寺・富本地区 復興応援ランチ会」(以下ランチ会)を中心とする取り組みへと柔軟に転
換した。10 回にわたる交流会の実施を通じて避難行動や生活再建、地域の将来像について
語り合う場が形成された。これは、防災と生活再建を一体的に捉え、平時から継続的に関
係性を育むという新たな地域支援のあり方を示す成果である。加えて、本事業を通じて久
留米市役所各課、社会福祉協議会、アカデミア、民間企業との多層的な連携が深化し、個
別支援で得られた知見が制度運用や政策提言へと波及した。市営住宅の入居期限延長や、
り災認定の再調査による支援内容の見直しなど、現場の実態に基づく具体的な制度改善が
実現したことは、被災者個人の生活再建にとどまらず、行政施策全体の質の向上にも寄与
している。

以上より、本事業は、局所災害において見過ごされがちな在宅被災者や支援困難世帯に焦
点を当て、個別支援と地域支援を往還させながら生活再建を後押しする実践的なモデルを
確立したと評価できる。一方で、災害規模による支援制度の限界や福祉資源の地域間格差
といった構造的課題も明らかとなった。本事業で得られた成果と知見は、今後の被災者支
援の高度化および「誰も取り残さない」支援体制の構築に向けた重要な基盤となるもので
ある。

本事業の広報やガバナンス・コンプライアンス体制整備の実績等ついては、以下のリンクからご参照ください。